【賃貸向け】エアコンの修理代は誰が払う?入居者・大家の費用負担ルールを徹底解説
- 公開日:2025/9/22
- 最終更新日:
- エアコン基礎知識

【賃貸向け】エアコンの修理代は誰が払う?入居者・大家の費用負担ルールを徹底解説
国土交通省ガイドラインに基づいた正しい知識
最終更新日:2025年9月22日
📋 目次
🏠 賃貸物件のエアコンが故障した時、「修理代は誰が払うの?」という疑問は多くの入居者が抱く問題です。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて、正しい費用負担のルールを詳しく解説します。
エアコン修理費用の基本ルール
国土交通省ガイドラインによる負担区分
📜 原状回復をめぐるトラブルとガイドラインとは
国土交通省が定めた賃貸住宅の退去時の費用負担に関する指針。2020年に再改訂され、より明確な基準が示されています。
損耗・故障の原因 | 負担者 | 具体例 | エアコンへの適用 |
---|---|---|---|
経年劣化 | 大家・管理会社 | 時間の経過による自然な劣化 | 製造から6年以上経過した機器の故障 |
通常損耗 | 大家・管理会社 | 普通に使用していて生じる劣化 | 正常使用での内部部品の消耗 |
故意・過失 | 入居者 | わざと壊した、不注意で壊した | 物を投げつけた、水をかけた等 |
善管注意義務違反 | 入居者 | 適切な管理を怠った | フィルター掃除を一切しない等 |
📱 表は左右にスクロール可能です
エアコンの設備区分による違い
🏠 備え付けエアコン(設備)の場合
負担者:大家・管理会社
- 入居時から設置されている
- 契約書の「設備」欄に記載
- 貸主の所有物として扱われる
- 修理・交換費用は原則貸主負担
📦 残置物エアコンの場合
負担者:入居者
- 前の入居者が設置して残していった
- 契約書に「残置物」として記載
- 貸主は責任を負わない
- 修理・交換費用は借主負担
ケース別の費用負担者(大家/入居者)
大家・管理会社が負担するケース
✅ 経年劣化による故障
症状例:冷えない、温まらない、異音、水漏れ(正常使用)
判断基準:
- 設置から6年以上経過
- 定期的なフィルター掃除を実施
- 取扱説明書に従った正常使用
- 特別な損傷がない
✅ 設備の初期不良・メーカー不具合
症状例:新品・比較的新しい機器の故障
判断基準:
- 設置から1-2年以内の故障
- メーカー保証期間内
- リコール対象製品
- 設計・製造上の欠陥
入居者が負担するケース
❌ 故意・過失による破損
症状例:物理的損傷、液体による損傷
具体的な例:
- 物をぶつけて室内機を破損
- 水や飲み物をかけた
- 改造・分解を試みた
- ペットによる噛み跡・引っかき傷
❌ 善管注意義務違反
症状例:適切な管理不備による故障
具体的な例:
- フィルター掃除を全くしない(6ヶ月以上)
- 異常を放置して悪化させた
- 禁止された使用方法での使用
- 換気不良による結露・カビ大量発生
判断が分かれるグレーゾーン
⚠️ 複合的要因による故障
経年劣化と使用方法の問題が複合的に重なった場合は、負担割合を協議することがあります。
- 設置から3-5年での故障
- フィルター掃除頻度が不適切
- 使用頻度が極端に高い
- 設置環境に問題がある
賃貸物件で修理が必要になった時の正しい手順
故障発覚から修理完了までのフローチャート
冷えない、異音、水漏れ等
電源、フィルター、リモコン等
症状詳細、写真・動画も添付
故障原因の特定と費用算出
ガイドラインに基づく判断
動作確認と保証書の受領
詳細な対応手順
- 緊急度の判断
水漏れや異臭など緊急性が高い場合は、被害拡大防止のため即座にエアコンを停止し、管理会社に緊急連絡する。 - 基本確認の実施
電源プラグ、ブレーカー、フィルターの状態、リモコンの電池等、簡単にチェックできる項目を確認する。 - 症状の記録
故障の症状、発生日時、使用状況を詳細に記録し、可能であれば写真や動画で証拠を残す。 - 管理会社・大家への連絡
契約書記載の連絡先に、症状詳細と緊急度を伝える。営業時間外の場合は緊急連絡先を利用。 - 業者手配の確認
貸主側で業者を手配するか、入居者が手配するかを明確にする。勝手に業者を呼ぶと費用を請求されない可能性。 - 点検・見積の立会い
業者による点検に立会い、故障原因と修理内容、費用を確認。この時点で費用負担者を協議。 - 修理の実施・確認
修理完了後は動作確認を行い、保証書や領収書を受領。今後の保守についても確認する。
❌ やってはいけないNG行動
- 無断で業者に修理依頼:費用を請求できなくなる可能性
- 自分で分解・修理を試みる:故障を悪化させるリスク
- 症状を放置する:被害拡大で責任を問われる可能性
- 口約束での合意:必ず書面で費用負担を確認
トラブルを防ぐためのポイント
契約時に確認すべき事項
📋 契約書チェックリスト
- エアコンが「設備」として記載されているか
- 「残置物」の扱いが明記されているか
- 修繕費用の負担区分が記載されているか
- 緊急時の連絡先が記載されているか
- エアコンの製造年月、メーカー、型番
- 前回のメンテナンス履歴
日常的な予防メンテナンス
✅ 入居者が行うべき基本管理
- フィルター掃除:月1回以上(使用頻度に応じて)
- 室外機周辺の清掃:落ち葉やゴミの除去
- 異常の早期発見:音・臭い・温度の変化に注意
- 適切な使用:取扱説明書に従った操作
- 記録の保持:掃除日、異常発生日の記録
コミュニケーションのコツ
💡 管理会社・大家との良好な関係維持
- 迅速な報告:異常を発見したらすぐに連絡
- 詳細な情報提供:症状、日時、状況を正確に伝える
- 協力的な姿勢:点検や修理に積極的に協力
- 記録の共有:メンテナンス履歴を提供
- 感謝の表現:迅速な対応への感謝を伝える
修理費用の相場と判断基準
故障内容別の修理費用目安
故障内容 | 修理費用相場 | 作業時間 | よくある原因 | 負担者の傾向 |
---|---|---|---|---|
フィルター交換 | 2,000~5,000円 | 30分 | 目詰まり、破損 | 入居者負担が多い |
ガス補充 | 8,000~15,000円 | 1時間 | ガス漏れ | 大家負担が多い |
基板交換 | 15,000~30,000円 | 1-2時間 | 電子部品の故障 | 大家負担が多い |
ファンモーター交換 | 20,000~40,000円 | 2-3時間 | モーター寿命 | 大家負担が多い |
コンプレッサー交換 | 58,000~105,000円 | 半日 | 圧縮機の故障 | 大家負担(買替検討) |
ドレンホース清掃 | 8,000~16,000円 | 1時間 | 詰まり、汚れ | 協議が必要 |
📱 表は左右にスクロール可能です
修理 vs 買い替えの判断基準
🔧 修理が妥当なケース
- 設置から5年以内
- 修理費用が新品価格の30%以下
- 主要部品(コンプレッサー以外)の故障
- メーカー保証・延長保証が適用される
🆕 買い替えが妥当なケース
- 設置から8年以上経過
- 修理費用が新品価格の50%以上
- コンプレッサーや複数部位の同時故障
- 部品の製造終了で修理不可
家賃減額について
2025年版ガイドライン改訂による変更点
📈 家賃減額の新基準
従来:固定金額(5,000円程度)
改訂後:月額賃料の10%を目安
- 免責期間:3日間(減額対象外)
- 減額期間:修理完了まで
- 適用条件:生活に著しく支障がある場合
💰 家賃減額の計算例
設定:月額賃料8万円、修理期間10日間
計算:80,000円 × 10% ÷ 30日 × (10日 - 3日) = 1,867円
減額額:約1,900円
家賃減額を請求する際のポイント
📝 減額請求の手順
- 故障発生日と修理完了日の記録
- 生活への支障の程度を具体的に記録
- 代替手段(扇風機、暖房器具)の費用記録
- 書面での減額請求(内容証明郵便推奨)
- 根拠となるガイドラインの該当箇所を明示
まとめ:賃貸エアコン修理の基本原則
✅ 備え付けエアコンの経年劣化は大家負担
✅ 入居者の故意・過失は入居者負担
✅ まずは管理会社・大家に連絡
✅ 契約書で設備区分を事前確認
トラブル回避の鍵は事前の確認と適切な連絡です。
国土交通省ガイドラインを理解し、円滑な関係を維持しましょう。
※本記事は2025年9月時点の国土交通省ガイドラインに基づいています。実際の判断は契約内容や個別事情により異なる場合があります。
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⚠️ 重要な注意事項
本ツールは参考目安です。実際の料金はエアコンの汚れ具合、設置状況、業者により大幅に変動します。必ず複数業者で実際の見積もりを取得してください。表示価格は2025年年の市場相場を基準としています。
❄️ シミュレーション結果
サービス項目 | 台数 | 税抜単価 | 税込小計 | 備考 |
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