エアコンの完全分解洗浄とは?通常分解との違いと洗浄率95%の理由を徹底解説
- 公開日:2025/11/2
- 最終更新日:
- エアコン基礎知識
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エアコンの完全分解洗浄とは?通常分解との違いと洗浄率95%の理由を徹底解説
「エアコンクリーニングを頼んだのに、まだカビ臭い」「完全分解洗浄って本当に必要なの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、エアコンクリーニングには「通常分解洗浄」と「完全分解洗浄」という2つのレベルがあり、どこまで分解して洗浄するかによって、効果、費用、作業時間に大きな差があります。
この記事では、エアコンクリーニングにおける「完全分解」の定義と、業者が提供するサービスの技術的差異について、洗浄率、作業時間、リスク、業界内の専門用語を交えて詳しく解説します。
💡 分解レベルの違いは「車の洗車と整備」の違い
エアコンクリーニングの分解レベルの違いは、車の洗車と整備に例えられます。通常の洗車(通常分解)は外装と内装をきれいにしますが、エンジンルーム(ドレンパンや送風ファン)の奥までは掃除しません。完全整備(完全分解)はボンネットを開け、エンジンを分解してオーバーホールし、見えない部分まで徹底的にきれいにします。どちらを選ぶかで、車(エアコン)の性能回復度が全く違います。
この記事を読めば、自分に最適なクリーニングレベルと、技術力のある業者の見分け方がわかります。
注:エアコンの構造はメーカーや機種によって異なります。この記事では一般的な情報を中心に解説していますが、具体的な対応可否は業者に確認することをおすすめします。
⚠️ 「完全分解」の定義は業者によって異なります
業界において「完全分解」という名称が使われていますが、その定義は業者によって一律ではありません。送風ファンまで分解する業者もあれば、さらに背面パネル(背抜き)まで分解する業者もあります。依頼前に具体的な作業範囲を確認することが重要です。
エアコンクリーニングの分解レベルとは?
エアコンクリーニングの技術的差異は、主に「どこまで分解して洗浄するか」という範囲によって分類されます。
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分解レベルの3段階
この記事では、プロのサービスであるレベル2(通常分解)とレベル3(完全分解)の違いに焦点を当てて解説します。
通常分解洗浄(標準クリーニング)とは?
通常分解洗浄は、エアコンを壁にかけたまま、取り外しが容易な部品を分解して洗浄する方法です。
通常分解で取り外す部品
通常分解の対象部品
- 前面パネル(エアコンの顔部分)
- エアフィルター
- ルーバー(風向きを変える羽根)
- 本体カバー(外装)
洗浄方法
エアコンを壁にかけたまま、高圧洗浄機で熱交換器(アルミフィン)やファンを洗浄します。養生シートで周囲を保護し、水が飛び散らないようにします。
通常分解洗浄の特徴
メリット
費用: 7,000円〜15,000円程度
作業時間: 1〜2時間(お掃除機能付きは1.5〜3.5時間)
リスク: 比較的低い
効果: 定期的なメンテナンスに適している
デメリット
洗浄率: 80%〜90%程度
限界: ドレンパンや送風ファンの奥の汚れは残りがち
対象: 軽度〜中程度の汚れに対応
課題: カビの根源まで除去できない場合がある
💡 通常分解は「歯のクリーニング」のようなもの
通常分解洗浄は、歯科医院での歯のクリーニングに似ています。歯の表面や見える部分の歯垢(汚れ)はきれいに取れますが、歯茎の奥深くの歯周ポケット(ドレンパンの奥)までは完全には届きません。定期的なメンテナンスには十分ですが、重度の汚れには限界があります。
完全分解洗浄(オーバーホール)とは?
完全分解洗浄は、エアコン内部をすべて分解して徹底的に汚れを落とす洗浄方法です。
完全分解洗浄の定義
この方法では、通常の分解洗浄では取り外さない以下の主要内部部品まで分解し、パーツごとに洗浄を行います。
完全分解で取り外す部品
- ドレンパン(結露水を受け止める皿)— カビの温床
- 送風ファン(シロッコファン)— カビが最も溜まりやすい
- 熱交換器(アルミフィン)まわり
- 電子基板以外のほとんどのパーツ
完全分解洗浄の特徴
メリット
洗浄率: 95%〜98%と非常に高い
効果: カビの根源を根こそぎ除去
対象: 重度の汚れ、長期間未清掃、アレルギー対策
結果: 新品同様の性能回復
デメリット
費用: 20,000円〜40,000円以上(通常の1.5〜2倍以上)
作業時間: 2〜4時間、持ち帰りの場合は半日〜数日
リスク: 分解パーツが多く、組み立てミスや破損のリスクが高い
⚠️ 完全分解洗浄のリスク
分解するパーツが多いため、組み立てミスや部品破損のリスクが通常分解よりも高くなります。信頼できる技術力のある業者を選ぶことが非常に重要です。
洗浄方法の違い
一部の業者は、エアコン本体を壁から取り外し、専門の場所(工場など)に持ち帰って部品を完全に分解・洗浄し、後日再設置する方法を「完全分解洗浄」として提供しています。
業界内の「完全分解」の定義の差異:送風ファン分解 vs 背抜き
業界において「完全分解」という名称が使われていますが、その定義は業者によって一律ではありません。特に重要なのが、「送風ファン分解」と「背抜き」という2つの技術的レベルの違いです。
① 送風ファン分解クリーニング(一部の業者が称する「完全分解」)
これは、エアコンの送風ファンとドレンパンまでを外す洗浄方法を指します。
送風ファン分解の特徴
- 送風ファン(シロッコファン)を取り外す
- ドレンパン(水受け皿)を取り外す
- エアコン全体が納まっているボディ(背面パネル)は壁に残したまま
- 洗浄率:80%〜90%程度
- 通常分解よりも深く洗浄できる
この方法でも通常の分解洗浄よりも深く洗浄できますが、エアコン全体が納まっているボディ(背面パネル)は壁に残したまま洗浄します。
② 背抜き(業界で最も徹底的な「完全分解」と呼ばれる手法)
業界のトップランナーの間では、エアコン全体が納まっているボディ(背面パネル)までを取り外す手法を「背抜き」と呼び、これを「完全分解」と呼ぶのが慣例となっています。
背抜きの特徴
- エアコン全体が納まっているボディ(背面パネル)を取り外す
- エアコンボディの背面側(壁と接する面)まで洗浄可能
- 奥側のドレンパン内部など、送風ファン分解では落とせない汚れまで除去
- 洗浄率:下限でも95%〜98%と非常に高い
- 最も徹底的なクリーニング方法
送風ファン分解
分解範囲: 送風ファン、ドレンパンまで
背面パネル: 壁に残したまま
洗浄率: 80%〜90%
対象: 中程度の汚れ
背抜き
分解範囲: ボディ(背面パネル)まで取り外し
背面パネル: 完全に取り外す
洗浄率: 95%〜98%
対象: 重度の汚れ、徹底的な洗浄
💡 背抜きは「家の壁紙を剥がして壁の内側を掃除」
背抜きは、家の壁紙を剥がして壁の内側(断熱材や柱)まで掃除するようなものです。壁紙の表面(送風ファン分解)をきれいにするだけでは、壁の内側のカビ(背面パネルの奥)は取れません。壁紙を完全に剥がして(背抜き)、壁の内側まで徹底的に掃除することで、カビの根源を根絶できます。
メーカー別の構造の違い
重要なのは、ダイキン、東芝、富士通など、ボディ全体とドレンパンが一体構造になっているメーカーのエアコンの場合、ファンやドレンパンを外すためには、この「背抜き」を行う必要があるということです。
背抜きが必須のメーカー例
- ダイキン(ボディとドレンパンが一体構造)
- 東芝(ボディとドレンパンが一体構造)
- 富士通(ボディとドレンパンが一体構造)
これらのメーカーのエアコンで「完全分解洗浄」を依頼する場合は、業者が背抜き技術を持っているかを確認する必要があります。
通常分解 vs 完全分解:徹底比較表
ここまでの内容を、わかりやすく比較表にまとめました。
| 項目 | 通常分解洗浄 | 完全分解洗浄(送風ファン分解) | 完全分解洗浄(背抜き) |
|---|---|---|---|
| 分解範囲 | 前面パネル、フィルター、ルーバー、本体カバー | 上記 + 送風ファン、ドレンパン | 上記 + ボディ(背面パネル) |
| 洗浄率 | 80%〜90% | 80%〜90% | 95%〜98% |
| 作業時間 | 1〜2時間 | 2〜3時間 | 2〜4時間以上 |
| 費用 | 7,000円〜15,000円 | 15,000円〜25,000円 | 20,000円〜40,000円以上 |
| リスク | 低 | 中 | 高(組み立てミスや破損のリスク) |
| 適した状況 | 定期メンテナンス、軽度の汚れ | 中程度の汚れ、カビ臭が気になる | 重度の汚れ、長期間未清掃、アレルギー対策 |
その他の技術的差異:洗浄剤と作業時間
① 洗浄剤の種類
使用される洗浄剤は、主に以下の3種類に分けられます。
中性洗剤(弱アルカリ・弱酸性含む)
特徴: 環境や人体に優しい
洗浄力: 中程度
用途: 軽度〜中程度の汚れ
酸性洗浄剤
特徴: 水垢やカルシウム汚れに効果的
洗浄力: 高い
用途: 熱交換器の水垢除去
強アルカリ性洗浄剤
特徴: カビや油汚れに非常に効果的
洗浄力: 非常に高い
用途: 重度のカビ、頑固な汚れ
注意: 有害物質が含まれている場合があり、使用後の中和処理が必要
エコ洗浄
特徴: 環境や人体に配慮(植物性原料等)
洗浄力: 中程度
用途: 小さな子どもやペットがいる家庭
注意: 明確な定義はない
多くの業者がアルカリ性洗浄剤を使用していますが、これはエアコン内部の汚れを落とすのに効果的である反面、有害物質が含まれている場合があり注意が必要です。
② 作業時間と品質の関係
作業時間は業者によって異なりますが、これは単なるスピードの差ではなく、「サービスの深さ(品質)」の違いを直接反映しています。
⚠️ 作業時間が短すぎる業者に注意
60分〜90分未満という極端に短い作業時間を提示する業者は、洗浄時間や乾燥時間を省略している可能性が高いと警告されています。特に内部の高圧洗浄には30〜60分、その後のすすぎを念入りに行う時間が必要です。
💡 作業時間の短縮は「料理の時短」と同じリスク
作業時間の短縮は、料理の時短に似ています。カレーを30分で作るのと3時間煮込むのでは、味の深さが全く違います。エアコンクリーニングも同じで、洗浄時間やすすぎ時間を省略すると、表面的にはきれいに見えても、洗剤が残ったり、奥の汚れが残ったりします。時間をかける=品質が高いとは限りませんが、極端に短い場合は要注意です。
どのクリーニングレベルを選ぶべきか?
自分に最適なクリーニングレベルを選ぶためのガイドです。
通常分解洗浄を推奨するケース
通常分解が適している状況
- 1〜2年ごとの定期メンテナンス
- 軽度〜中程度の汚れ
- カビ臭はするが、目視で確認できる範囲
- 予算を抑えたい
- 作業時間を短くしたい
完全分解洗浄を推奨するケース
完全分解が適している状況
- 3年以上クリーニングしていない
- 重度のカビ臭や黒い塊が見える
- 通常分解で改善しなかった
- アレルギー体質の家族がいる
- 喘息や呼吸器系疾患がある
- 徹底的にきれいにしたい
- 中古住宅を購入した(前の住人の使用状況が不明)
コスト重視
推奨: 通常分解洗浄
費用: 7,000円〜15,000円
頻度: 1〜2年に1回
品質重視
推奨: 完全分解洗浄(背抜き)
費用: 20,000円〜40,000円
頻度: 3〜5年に1回
技術力のある業者を見分ける方法
完全分解洗浄は高度な技術が必要であり、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
業者選びのチェックポイント
技術力を確認する質問
- 「ドレンパンやファンを取り外しますか?」
- 「背抜き(背面パネルの取り外し)に対応していますか?」
- 「ダイキン/東芝/富士通のエアコンに対応できますか?」
- 「作業時間はどのくらいですか?」(60分未満は要注意)
- 「使用する洗浄剤の種類は何ですか?」
- 「損害賠償保険に加入していますか?」
- 「完全分解洗浄の実績は何件ありますか?」
⚠️ こんな業者は要注意
– 「完全分解」と謳っているが、具体的な作業範囲を説明できない
– 作業時間が60分未満と極端に短い
– 料金が相場よりも極端に安い(3,000円〜5,000円など)
– 損害賠償保険に加入していない
– 口コミや評価が極端に少ない、または低い
信頼できる業者の特徴
信頼できる業者の条件
- 業界団体(JACA等)に加盟している
- 損害賠償保険に加入している
- 完全分解洗浄の実績が豊富(写真付きで公開)
- 作業範囲を明確に説明してくれる
- 見積もりを書面またはメールで提示してくれる
- 口コミや評価が高い(複数サイトで確認)
- スタッフの技術研修を定期的に実施している
よくある質問(FAQ)
Q1. 完全分解洗浄は本当に必要ですか?
A. 通常分解で改善しない重度のカビ臭や、3年以上クリーニングしていない場合は、完全分解洗浄が効果的です。アレルギー体質の家族がいる場合も推奨されます。
Q2. 「送風ファン分解」と「背抜き」はどちらを選ぶべき?
A. ダイキン、東芝、富士通のエアコンは背抜きが必須です。その他のメーカーでも、徹底的に洗浄したい場合は背抜きがおすすめですが、費用と作業時間を考慮して送風ファン分解でも十分な場合があります。
Q3. 完全分解洗浄の相場はどのくらいですか?
A. 20,000円〜40,000円以上が相場です。通常分解の1.5〜2倍程度です。メーカーや機種、お掃除機能の有無によって変動します。
Q4. 作業時間はどのくらいかかりますか?
A. 壁掛け型の完全分解洗浄で2〜4時間、持ち帰り型の場合は半日〜数日かかることもあります。極端に短い作業時間(60分未満)を提示する業者は要注意です。
Q5. 完全分解洗浄のリスクは?
A. 分解するパーツが多いため、組み立てミスや部品破損のリスクが通常分解よりも高くなります。損害賠償保険に加入している技術力のある業者を選ぶことが重要です。
まとめ:完全分解洗浄で徹底的にきれいに
この記事では、エアコンクリーニングにおける「完全分解」の定義と業者間の技術的差異について解説しました:
- 分解レベルの違い:通常分解(前面パネル、フィルター等)と完全分解(ドレンパン、送風ファンまで)では、洗浄率が80〜90% vs 95〜98%と大きく異なります。
分解レベルが高いほど、カビの根源まで除去できます。
- 業界内の定義の差異:「完全分解」には、送風ファン分解と背抜き(背面パネル取り外し)の2つのレベルがあります。
ダイキン、東芝、富士通のエアコンは、背抜きが必須です。
- 費用と作業時間:通常分解は7,000円〜15,000円・1〜2時間、完全分解は20,000円〜40,000円・2〜4時間以上。
費用は高いですが、洗浄率の高さと長期的な効果を考慮すると、コストパフォーマンスは高いと言えます。
- 業者選びのポイント:「ドレンパンやファンを取り外すか」「背抜きに対応しているか」といった具体的な質問で技術レベルを見抜きましょう。
作業時間が60分未満と極端に短い業者は要注意です。
- 適した状況:定期メンテナンスは通常分解、重度のカビ臭や長期間未清掃は完全分解が推奨されます。
自分の状況に合ったクリーニングレベルを選びましょう。
エアコンクリーニングのサービスは、目に見える部分をキレイにするだけでなく、エアコンの心臓部まで徹底的に分解し、カビの根源を取り除くかどうかが、サービスの「真の品質」を決定します。
これは、船の整備に例えると、通常の洗浄がデッキの掃除や簡単な点検にとどまるのに対し、完全分解洗浄は船体をドックに入れ、エンジン(ファン、ドレンパン)を完全に分解してオーバーホールし、新品同様に性能と寿命を回復させる作業に相当します。
どこまでの深さを求めるかによって、選ぶべきサービスが異なります。
重度のカビ臭や長期間未清掃のエアコンには、完全分解洗浄(特に背抜き)を選ぶことで、新品同様の清潔さと性能を取り戻しましょう!
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