エアコンクリーニングのトラブル事例を国民生活センターのデータから読み解く|被害を防ぐ3つの対策

  • 公開日:2026/2/20
  • 最終更新日:
  • エアコンクリーニングのトラブル事例を国民生活センターのデータから読み解く|被害を防ぐ3つの対策 はコメントを受け付けていません

「エアコンクリーニングを頼みたいけれど、トラブルになったら怖い」と感じていませんか?

実は、全国の消費生活センターには、掃除サービスに関する相談が毎年一定数寄せられています。エアコンクリーニングも、その相談の主要な部分を占めています。ただ、こうしたトラブルの傾向さえ知っておけば、大半は未然に防ぐことができます。

この記事では、国民生活センターなどの公的データをもとに、エアコンクリーニングで実際に起きているトラブルの実態を解説します。「どんなトラブルが多いか」「どこに相談すればよいか」「どうすれば防げるか」という流れで、順を追って整理していきます。

結論を先にお伝えすると、「損害賠償保険加入の確認・書面での見積もり取得・クーリングオフの知識」という三本柱を実践しておけば、エアコンクリーニングの多くのトラブルに備えることができます。それぞれの具体的な内容は、この記事で詳しく解説します。

また、この記事はトラブルの怖さを強調するためではなく、「知っておけば安心して依頼できる」という目的で書いています。ぜひ参考にしてみてください。

なお、エアコンクリーニングのトラブル防止策をより広い視点でまとめた記事もあります。エアコンクリーニングのトラブル防止ガイドもあわせてご覧ください。


エアコンクリーニングのトラブル件数の実態

国民生活センターが公表している掃除サービスの相談件数

国民生活センターが公表している発表資料によると、全国の消費生活センターに寄せられた掃除サービス全般(事業者が家庭に出向いて有料で掃除を行うサービス)に関する相談件数は増加傾向にあり、2013〜2015年度の調査時点では年間約1,000件近い水準が確認されています。エアコンや換気扇のクリーニングに関するトラブルが、その中心的な内容として挙げられています。

「年間1,000件」という数字は、エアコンクリーニングの利用者全体からみると決して大きな割合ではないかもしれません。ただ、「まったくトラブルが起きていない」わけでもなく、毎年一定数の相談が寄せられている事実は、依頼前に知っておくべき情報といえるでしょう。

相談者の属性から見える傾向

同じ国民生活センターの資料によると、掃除サービストラブルの相談者は女性が約77%を占め、年代は30代から80代まで幅広い分布を示しています。幅広い年代にわたっており、特定の層に限らないことがわかります。

「慣れていないから仕方ない」ではなく、「知っておけば防げる」というのがこの記事のスタンスです。初めての依頼でも、ポイントを押さえておけば安心して利用できます。

民間調査データで補完する「体感的なトラブル率」

みんなのマーケット株式会社が2024年4月に実施したアンケート調査(「くらしのマーケット」会員1,598名を対象)によると、エアコンクリーニングを利用してトラブルがあったり、嫌な思い・不安な思いをした方は全体の約16.4%という結果が出ています。

「6人に1人が何らかの不満や不安を感じた」というのは、決して少ない数字ではありません。このデータからも、依頼前の情報収集や業者選びの重要性が読み取れます。


実際に報告されているトラブルの種類と事例

国民生活センターへの相談や各種報告をもとに、エアコンクリーニングで起きやすいトラブルを4つの類型に整理しました。

最も多い「作業後の故障・動作不良」トラブル

エアコンクリーニング後に「エアコンが動かなくなった」「異音が出るようになった」というトラブルは、相談の中でも特に深刻な部類に入ります。

主な原因として多いのは、養生(作業中の水・洗剤飛散を防ぐための養生シート等の設置)が不十分だったために電装部品に水分が入ってしまったケースや、分解した部品を正しく組み立てられなかったケースです。特に「お掃除機能付き」エアコンは構造が複雑なため、経験の浅い業者が作業すると故障リスクが高まります。

一方で、クリーニング後に故障が発覚した場合でも、「クリーニングが原因かどうか」の立証は難しいという現実があります。作業後の動作確認を立ち会ったうえで行うことが、後々の交渉を有利にするうえで非常に重要です。

なお、10年以上経過した古いエアコンに対するクリーニングと保険適用の関係については、10年以上経過したエアコンと保険適用の関係でも詳しく解説しています。

「追加請求」「最初の見積りと違う」トラブル

電話勧誘型のトラブルは、特に注意が必要です。

⚠️ 国民生活センターが注意喚起している事例

「お試し価格の3,000円で換気扇やエアコンのクリーニングができる」と電話で勧誘され、業者が来訪後に追加のコーティング工事を強く勧められ、最終的に約30万円を請求された(80代)という相談事例が報告されています。
出典:国民生活センター「見守り新鮮情報」第450号(2023年5月)

このような「格安価格で誘い込み、作業中に追加サービスを強引に勧める」という手口は、電話勧誘型の業者に多く見られるパターンです。電話の説明だけでは詳しい作業内容を把握できないため、いったん電話を切り、自分で業者の評判や公式サイトを確認してから判断することが大切です。

「養生不足による汚損」「業者失踪」その他のトラブル

養生(ようじょう)が不十分だった場合、洗浄液や汚水が飛散して壁・天井・家電などが汚損されるケースがあります。「クリーニング後に壁がシミになった」「洗剤が飛んでベッドが汚れた」といった事例は珍しくありません。

また、作業後に業者と連絡がつかなくなるケースも報告されています。固定電話番号や所在地を公開していない業者、低価格を大きくアピールするだけで会社情報が不透明な業者には注意が必要です。

養生不足によるトラブルを防ぐための具体的なポイントは、養生不足による壁・家電への汚損を防ぐチェックリストで詳しく解説しています。


トラブルが起きたら最初にすべき対処の流れ

まず証拠を残す・業者に連絡する

トラブルに気づいた時点で、まず「証拠の保全」を行うことが最優先です。

トラブル発覚時に残しておくべき記録

  • 被害状況(故障・汚損・破損等)の写真・動画
  • 作業日時・担当者の氏名(名刺等)
  • 業者との会話内容(日時・内容をメモ)
  • 作業前後のエアコンの動作確認の有無
  • 見積書・領収書・契約書などの書類

特に重要なのは、クリーニング終了直後の動作確認に必ず立ち会うことです。作業完了時に業者と一緒にエアコンの動作を確認し、異常がないことをその場で確かめることが、後々の交渉を有利にします。作業後に「問題なく動いた」という事実は、後日の故障が本当にクリーニングに起因するのかどうかを判断するうえでも重要な根拠になります。

業者の対応窓口に正式な申し入れをする

証拠が揃ったら、業者の対応窓口(カスタマーサポート等)に連絡し、正式に申し入れを行います。このとき、口頭だけで終わらせず、メールや書面で記録が残る形で連絡することが重要です。

「いつ・何を・どう請求したか」が記録に残ると、後のトラブル解決に役立ちます。大手業者であれば保証規定に基づく対応が期待できますが、個人業者の場合は対応が不均一なこともあるため、こうした記録が特に重要になります。

業者と解決しない場合は消費者センターへ

業者との直接交渉で解決しない場合や、そもそも業者と連絡がつかない場合は、消費者センターへの相談を検討しましょう。消費者センターの役割や具体的な相談の流れは、次のH2で詳しく解説します。


消費者センターへの相談でできることとできないこと

188番(消費者ホットライン)のしくみ

消費生活センターへの相談窓口として、局番なしの「188(いやや!)」という電話番号が設けられています。これは消費者庁が案内している全国共通の3桁電話番号で、電話すると最寄りの消費生活センターに案内されます。

通話は基本的に有料ですが、一部の地域では無料の場合もあります。相談は匿名でも可能で、「どこに言えばよいかわからない」という場合の最初の窓口として活用できます。

消費者センターが「できること」の範囲

消費者センターができること

・業者への「あっせん」(間に入って解決を促す)
・消費者へのアドバイス・情報提供
・クーリングオフや法律の説明
・関係機関への情報提供・報告

消費者センターができないこと

・業者への強制的な命令
・損害賠償の強制執行
・法的な裁判・判決
・警察への直接的な介入依頼

消費者センターは「中立的なあっせん機関」であり、業者に強制的に賠償を命じる権限はありません。センターが間に入って交渉を促した結果、業者側が応じるケースも多くありますが、業者が拒否した場合はそれ以上の強制はできません。この点は、事前に理解しておくことで過度な期待を防げます。

解決しない場合の選択肢(少額訴訟・弁護士相談等)

消費者センターのあっせんでも解決しない場合、次の選択肢として以下が考えられます。

少額訴訟:損害額が60万円以下の場合、裁判所で利用できる簡易な訴訟手続きです。弁護士なしでも申し立てが可能で、原則として1回の審理で判決が出ます。申立費用は数千円程度(訴額により異なる)です。

法テラス・弁護士会の相談窓口:法テラス(日本司法支援センター)では、収入が一定以下の方を対象に無料の法律相談を実施しています。弁護士費用の立替制度もあります。弁護士会が設けている有料相談窓口(初回30分無料のケースも)も活用できます。


クーリングオフが使えるケースと手順

クーリングオフが適用される条件

クーリングオフとは、一定の条件下で、理由を問わず契約を解除できる制度です。エアコンクリーニングでは主に以下の場合に適用されます。

電話勧誘販売で契約した場合:業者から電話がかかってきて契約した場合、特定商取引法に基づき、書面を受け取った日を1日目として8日以内であればクーリングオフが可能です(消費者庁 特定商取引法ガイドに基づく)。

訪問販売で契約した場合:業者が自宅を訪問してきて、その場で契約した場合も同様に8日以内のクーリングオフが適用されます。

なお、自分でインターネットや電話で能動的に申し込んだ場合(通信販売扱い)は、クーリングオフの対象外となるのが一般的です。

書面を受け取っていない場合は「いつでも」解除できる

重要な点として、業者から法定書面(契約書面・申込書面)を受け取っていない場合や、書面の記載内容に不備がある場合は、8日間の期限が経過していても、いつでもクーリングオフが可能です。

「もう8日過ぎてしまったから諦めるしかない」と思っていても、書面の交付状況や記載内容を確認することで、クーリングオフの権利が残っているケースがあります。疑問がある場合は、まず188番に相談してみることをおすすめします。

クーリングオフの具体的な手続き方法

クーリングオフは、書面(ハガキや封書)で通知するのが基本です。書面には「クーリングオフの通知である旨・契約内容・契約日・業者名・氏名」を記載します。

2023年6月1日以降は、消費者が承諾した場合には電磁的方法(電子メールや業者のWebフォーム等)でも通知できるようになりました。書面の場合は記録が残るよう、コピーを手元に保管してから投函することをおすすめします。


契約前に確認すべき自衛策の三本柱

ここまで解説してきたトラブルの多くは、業者選びの段階での確認と、契約前の準備で防ぐことができます。以下の三本柱を実践しておきましょう。

第一の柱「損害賠償保険への加入確認」

業者が万一エアコンを破損・故障させた場合に、その修理や賠償をカバーするのが「損害賠償保険(損害保険)」です。この保険に加入しているかどうかは、業者を選ぶ際の最低条件といっても過言ではありません。

確認方法は、業者のWebサイトに「損害保険加入」の記載があるか確認すること、また問い合わせ時に「損害賠償保険の加入証書を確認できますか?」と直接尋ねることです。回答を曖昧にする業者は注意が必要です。

保険なし業者に頼んだ場合のリスクや、具体的な保険の内容については、損害賠償保険の詳細と保険なし業者のリスクで詳しく解説しています。

第二の柱「書面での見積もり徹底」

「作業前に書面で見積もりをもらう」というシンプルな行動が、追加請求トラブルの大半を防ぎます。見積書には以下の内容が明記されているかを確認しましょう。

書面見積もりで確認すべき項目

  • 作業の対象範囲(通常タイプ・お掃除機能付き等の区別)
  • 追加料金が発生する条件(汚れの程度・オプション等)
  • 合計金額(税込)
  • キャンセル・クーリングオフの条件
  • 作業後の保証・アフターフォローの内容

口頭での説明のみで契約を進めようとする業者や、見積書を書面で出すことを渋る業者は、後から「そんなこと言っていない」というトラブルになりやすいため注意が必要です。

第三の柱「クーリングオフ権の理解と業者選定基準」

電話や訪問で契約した場合はクーリングオフが使えること、書面を受け取っていなければ期間が過ぎても解除できることを頭に入れておくだけで、万が一の時の対処が格段に変わります。

また、業者を選ぶ際には以下のポイントを確認することで、信頼性の高い業者を絞り込めます。

会社の所在地・固定電話番号が公開されているか、損害賠償保険に加入しているか、口コミや評価が確認できるか、公益社団法人全国ハウスクリーニング協会や日本エアコンクリーニング協会などへの加盟有無など、複数の観点から確認するのがおすすめです。

具体的な業者選びのチェックリストは、業者を選ぶ際の具体的なチェックリストにまとめていますので、あわせてご活用ください。


よくある質問(FAQ)

エアコンクリーニング後にエアコンが壊れたら、必ず業者に弁償してもらえますか?

作業直後の動作確認でその場で問題が確認できた場合は、業者に責任を問いやすい状況です。しかし、数日後に不具合が出た場合はクリーニングとの因果関係の立証が難しくなり、補償を求めにくくなります。トラブル防止の観点から、作業終了時の動作確認には必ず立ち会い、その場で異常がないことを確認してから業者を帰すようにしましょう。

消費者センターに相談すれば、業者に損害賠償を払わせてもらえますか?

消費者センターは、業者と消費者の間に立って解決を促す「あっせん」が主な役割です。強制的に損害賠償を命じる権限はないため、業者が拒否した場合はセンターとしてそれ以上の強制はできません。交渉が不調な場合は、少額訴訟(60万円以下の損害に対応)や弁護士相談を検討することになります。

電話で申し込んだエアコンクリーニングをキャンセルしたい。クーリングオフできますか?

電話勧誘販売(業者側からかかってきた電話で契約した場合)は、特定商取引法に基づき、法定書面の受領日を1日目として8日以内であればクーリングオフが可能です。書面を受け取っていない場合、または書面に不備がある場合は、8日を過ぎていてもクーリングオフが行使できます。詳細は国民生活センター消費者トラブルFAQもご参照ください。

「3,000円」などの格安価格を電話で勧誘されたら、どう対応すべきですか?

電話口での説明だけでは、実際の作業内容や追加料金の条件を正確に把握することが難しいです。いったん電話を切り、業者の公式サイトや口コミを自分で検索して確認してから判断することをおすすめします。その場の勢いで承諾しないことが、追加請求トラブルを防ぐ最大の防衛策です。

損害賠償保険に加入していない業者に頼んでしまった場合、トラブル時の補償はどうなりますか?

保険未加入の業者の場合、補償はその業者の自己資金のみに依存します。対応してもらえればよいですが、業者が応じなかったり連絡がとれなくなるリスクも高まります。万が一の際は消費者センター(188番)への相談が選択肢になりますが、事前に保険加入を確認することが最も確実なリスク回避策です。


まとめ:エアコンクリーニングのトラブルは「知識」で防げる

この記事では、国民生活センターのデータをもとに、エアコンクリーニングで起きているトラブルの実態と対処法を解説しました。

  • トラブルの件数と傾向:掃除サービス関連の相談は全国の消費生活センターに2013〜2015年度の調査時点で年間約1,000件近く寄せられており、「自分だけは大丈夫」とは言い切れない状況を示しています。
  • トラブルの4類型:「作業後の故障・動作不良」「追加請求」「養生不足による汚損」「業者との連絡途絶」が主なパターン。これらの仕組みを理解しておくと、業者選びの判断にも役立つでしょう。
  • 何かあれば188番へ:「いやや!」の語呂合わせで覚えやすい消費者ホットライン188番に電話すると、最寄りの消費生活センターに案内されます。センターでは業者へのあっせんや法律的なアドバイスが受けられます(ただし強制執行権限はありません)。
  • クーリングオフは強力な権利:電話勧誘で契約した場合は書面受領日から8日以内に解除可能。書面を受け取っていなければ、期間を過ぎても行使できます。
  • 自衛策の三本柱を実践する:「損害賠償保険加入の確認」「書面での見積もり取得」「クーリングオフの理解」の三本柱を押さえておけば、多くのトラブルは未然に防げます。

不安なく安心してエアコンクリーニングを依頼するために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。具体的な業者選びの基準については、業者を選ぶ際の具体的なチェックリストもあわせてご活用ください。

エアコンクリーニングの料金が気になる方へ

無料料金シミュレーターを試す →
コメントは利用できません。

お知らせ

登録されているお知らせはございません。

カテゴリー

ページ上部へ戻る